- 2 :名無しさん@おーぷん :20/08/28(金)23:43:03 ID:JGS
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放課後、学校から直接事務所へとやってくるなり「甘いもの食べた~い」と宣言した雛菜だったが、残念なことにその日は菓子の買い置きを切らしてしまっていた。それでも諦めがつかず、冷蔵庫から戸棚へと捜索の場を広げた雛菜に、プロデューサーはノートパソコンに向かったまま言葉を投げた。
「雛菜、今日は我慢してくれ。はづきさんが明日何か買ってくるって言ってたから」
雛菜は、戸棚を探る手をぴたりと止めて恨めしそうに呟いた。
「雛菜は今日食べたかったの~」
仕事やレッスンの予定でも入っていれば、はづきさんも気を利かせて何か用意しておいてくれたかもしれないが、
生憎と本日の市川雛菜はフリーであり事務所への来訪は予定外のことだった。「せっかくおやつがあると思って事務所に来たのにな~」
「――ははっ、当てが外れて残念だったな」
淡々とキーボードを叩きながらプロデューサーは笑って答えた。午後になって舞い込んできた急ぎの仕事は未だに目処がついていない。
不服そうに頬を膨らませていた雛菜だったが、ふと、何かに気付いた様子でプロデューサーの顔をしげしげと眺め、間延びした口調で尋ねた。
「プロデューサー大丈夫~? なんか疲れてない~?」
「ははっ、全然元気だぞ。よゆーよゆー」
ことさら陽気に笑って仕事に打ち込むプロデューサーを訝しそうに見つめながら、雛菜は不意に「にっこり」と向日葵の咲くような笑顔を浮かべた。
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Source: ゴールデンタイムズ
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